「アスパーガール」感想 学校は道徳の教科書よりもこの本を配布すべし 本書の4つの良いところ、2つの悪いところ

こんにちは。三原たか です

大人になってから、
ADHDとASDとわかった発達障害者です。

僕は読書が好きで、
たくさんの本を読んできた。

自分が、
自閉症スペクトラム(アスペルガー)
だとわかってからは関連本を数十冊読んでいる。

三原たか
たくさんの本の中で、
アスパーガールはナンバーワンだ

とても大好きで素敵な本だから紹介したい。

アスパーガールとは

アスペルガー症候群の女性にスポットライトを当てた本だ。

「アスペルガー症候群」のイメージは、
「空気が読めない」「コミュニケーションが苦手」と言ったように偏っている。

その言葉に当てはまる人もいれば、当てはまらない人もいる。

女性の場合は、
当てはまらない人が多いと思う。

ハンス・アスペルガー博士が臨床した4人の児童は男の子だ。

スタート地点から女性のアスペルガー症候群の研究が遅れている。

アスパーガールは、そんなAS女性に向けた特別な書籍だ。

23章のテーマそれぞれにたくさんのアスペルガー女性の当事者インタビュー、アドバイス、ご家族へ向けた言葉が記載されている。

アスパーガールの特徴

男性のアスペルガーとは異なる特徴がある。

そのため、診断を見落とされることもある。

女の子の自閉症スペクトラムが見落とされる理由

こだわりの対象が、
たいてい、本、音楽、アート、動物など一見「普通の」少女らしいものだからです。

作者の紹介

ルディ・シモン/著
サンフランシスコ・ベイエリア在住の文筆家、歌手、アスペルガー症候群の教育者

他の作品
アスペルガーのパートナーのいる女性が知っておくべき22の心得

アスペルガーの女性がパートナーに知ってほしい22の心得

牧野恵/訳

アスパーガールの良いところ

アスパーガールは4つ優れた点を持っている。

①時間スケールが大きいこと

幼少時から中年以降まで、アスペルガーの女性が悩み戸惑うであろうことが書かれている。

50代のASD女性にインタビューするくらいの徹底ぶりだ。

日本では、
ASDの人生をこんなに幅広く取り扱う書籍は見たことない。

海外でも少ないと思う。

アメリカは発達障害の取り組みや研究が進んでいるということもあるけれど、
ルディ・シモンの行動力や熱意に起因すると思う。

②結婚や子供をもつこと

子育てについても書かれている。

子供に興味が無い、
子供がいて良かったこと、
子供がいて悪かったこと、
当事者の様々なコメントが書かれている。

結婚しない人、
結婚しても子供を作らない人、
様々なパターンでインタビューしている。

発達障害者が子供を持つかどうかを悩んでいる人は多いと思う。

障害が遺伝する可能性があることもあるだろうし、
子供と向き合えるかも悩みの一つだと思う。

著者のルディ・シモンの娘は自閉を引き継がなかった。

複雑で皮肉なことと表現している。

育てている最中のエピソードが書かれている。

あるとき、
娘が「どうしてみんなのお母さんみたいに普通のママになれないの?」

と言って泣いたことがありました。とてもつらかったです。

私は良く車の中で、大きな声でオペラを歌っていました。

どうやら、他のママたちはそんなことしないようでした。

自分の時間がなくなること、
思い通りにならないこと、
それらがたくさんあって苦しかったことも正直に書かれている。

③うつに立ち向かい方

ASDの女性の一番の敵は、
うつや無気力だと思う。

二次障害の代表例だし、
生きていく気力や楽しいことも全て奪っていく。

アスパーガールはうつを打破する手助けになる。

ASの人の悩みやうつ症状は定型発達者の社会や偏見のせいだと言うことは簡単です。

しかし、それは原因のほんの一部に過ぎないと私は考えています。

外界にはメルトダウンを引き起こすさまざまなものがありますが、

それらに対応する反応は、ある程度自分でコントロールできるはずです。

問題の一つひとつに、具体的かつ科学的な解決方法を見つけてください。

まず、うつの原因を特定させましょう。

このように書かれている。

パニック発作(感情のメルトダウン)について、
①怒り②うつと2項目に分かれて40ページにもわたって書かれている。

④著者ルディ・シモンの言葉

本書は、アスペルガー症候群を取り扱っているただの医学書とは違う。

1人の人生に焦点を当てた手記とも違う。

一番の違いはルディ・シモンの、意思を持った力強い文章だ。

自閉症スペクトラムの女性にとって、
中年以降の最大の問題を3つ挙げている。

・貧困 ・孤独 ・健康

このように、
向き合わなければいけないことに対して、しっかりと書かれている。

読んでいると苦しい現実を見なくてはいけないようで、辛くなるかもしれない。

それでも、前もって考えておけば、生きやすくはなる。

気になった言葉を下記に抜き出しておく。

・みんなと違っていることを誇りに思ってね。

・自分らしくいて。

・そうすればあなたと似た人たちはあなたに気づいて、あなたを好きになるはず。

・あなたがASであって、ASがあなたではない

・男の人を選ぶときには、とても慎重に

・孤独を楽しんで

・学校の人たちにどう思われるかと、あまり気にしないように。

・卒業すればもう会わないのだから。

見方によっては厳しい言葉もある。

アスペルガー症候群 × 女性
というマイノリティの中のマイノリティの人に、力になるような言葉が書かれている。

アスパーガールの悪い所

悪い所もあるのであげておきます。

①イラストや図はいっさいない。

文章を読むことが苦手な人には、難しいかもしれない。

文章のみの約300ページの厚さだ。

僕は読むのに2週間かかった。

②毒親話しはない

親と一緒にいることがしんどい人へのエピソードはほとんどないです。

ただ、ASを持つ親へ向けたコメントがある。

何かしら、毒親対策の参考になるかもしれない。

この本がオススメな人

・幅広い年齢のアスペルガー症候群の女性

・ASDの娘を持つ親

・アスパーガールとあるけれど、男性にもおすすめです。

発達障害は個人間で異なるため、
性別のくくりにこだわる必要はない。

この本の外部評価

先日、ツイッタ―上でアスパーガールの内容が拡散された。

巻末にある「女性のアスペルガー症候群の一般的な特徴一覧」、「ASの男性とASの女性の主な違い」がたくさんの方に共感されたのだと思う。

アマゾンでもおおむね好評化です。

英語版アマゾンでは、レビュー200件、平均4.5点です。

全世界で翻訳されています。

読書のため背中を押して欲しい人

自閉スペクトラムは基本的に自分独自のやりかたを好む。

新しいことを取り入れることが苦手だったり、自分が変化することに恐怖を感じたりする。

僕もそうだ。

この記事を読んで、
興味が出ても、どうしても読書しようと踏ん切りがつかない人もいると思う。

そんな人のために背中を押します

著者のルディ・シモンは、
自分が他の人と違うことに悩み、頭をストーブの中につっこんだことがある。

とても大きな孤独を抱えていた。

自分が人と違うということで、
本来絶対しないであろう行動をしてしまう人もいる。

けど、こういう例外的な話しは普通の社会では触れることが難しい。

例えば人の生き方として、
学校で道徳の教科書が配布される。

道徳のというのは、
多くの人が望む平均的な人間が説明される。

アスパーガールは道徳の教科書の代わりに配布しても良いと思った。

僕は平均よりも、
例外を教えるべきだし、学ぶべきだと思っている。

この世界に例外がたくさんある

どうしても、選ばれないときや、落第することもある。それが当然だ。

例外や落第に含まれることはショックだ。

ただ、自分と同じ気持ちを持っている人がいると知るだけで、人は孤独を安らげることができる。

アスパーガールはそんな例外の人たちが、困難に立ち向かうためのヒントが書かれている。

本を読んで自分が変わってしまうかもしれない。

けれど、それは良い変化だと断言する。

購入について

アスパーガールは、近くの書店では恐らく販売していない。

僕は図書館に行ってみたが、
残念ながら取り扱っていなかったのでアマゾンで購入した。

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