アスペルガーの男の子が決めた素敵な生き方「15歳のコーヒー屋さん」感想

こんにちは。三原たか です

アスペルガー症候群(ASD)
をもっています

大人の発達障害者です

本が好きで、
発達障害者の本も読んでいます

今回は、
15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ (岩野響)を読みました

コーヒー焙煎士となった男の子の本です

前から気になっていました

読んでみて、
とても素敵な本だったので紹介します

 

作者紹介 岩野 響(いわの ひびき)

岩野響本書より引用

小学3年生のとき,
発達障害(アスペルガー症候群)の診断を受ける

15歳のとき、
自宅敷地内にコーヒー店を開設

自ら焙煎したコーヒー豆を販売

現在は人気のため直販は中止し、
通販を委託販売を行っている

公式ホームページ>>HORIZON LABO

コーヒー豆販売サイト>>通販カタログ「毎日が発見ショッピング」のオンラインストア

本の内容

岩野響さんは、

小学3年生のときに、
アスペルガー症候群の診断を受けました

本人に告知されたのは中学になり、
学校生活が困難になってからです

そして本人なりに努力しても
中学1年生のとき学校に行けなくなりました

そこから自分なりに生きる道を探し始めます

家にいるときは母一緒に家事をしたり、
父の自営業の手伝いをしたり

あるとき、
カレーの調味料を自作しているときコーヒー豆を使うとおいしくなることに気づきました

コーヒー豆に興味を持ち、
最終的には自分でお店をオープンするまでになります

15歳でコーヒー焙煎士をやる男の子の物語です

感想

本を読んで、
素敵な生き方だと思いました

良かったと感じたところ、
悪かったと感じたところ、
気になったところをそれぞれ書きます

良かったところ

本を読んでいて共感できるところがたくさんありました

サブタイトルの、
「僕ができることから僕にしかできないこと」は発達障害の凹凸を表しています

発達障害は、
生まれつきの脳機能の障害です

能力や考え方、
行動にかたよりが生じます

かたよりによっては、
能力の凹凸となります

発達できない部分が、
岩野響さんの場合は、

学校の課題が提出できない、
疲れると漢字が書けない、
部活動がうまくできない

となります

本の中に、
岩野響さんが学校生活で苦しんでいる場面が書かれていました。

僕自身、
岩野さんよりも軽度だと思いますが、アスペルガー症候群の診断を受けています

自閉症の傾向を持っています

だから、
岩野さんが苦しんでいた内容を簡単に思い浮かびました

学校に行けなくなった

それでも、
自分の生き方を探していく過程はとても素晴らしいことだと思います

ぼく自身の話しですが、
ぼくは高校に行ってません

15歳のときからは、
工業専門学校という特殊な場所にいました

普通に高校に進学していたら、
通えなくなると思って専門学校に進路を決めました

今現在ぼくは、
専門学校で学んだこととつながっている
機械エンジニアとして働いています

だから15歳のときに、
専門性のある道を選んだ彼の物語は、
ぼくにとってとても共感できました

わるかったところ

岩野響さんは、
父と母に学校に行かなくてよいと言いました

学校に行かなくなってからは、
母と一緒に家事の手伝いをしたり、
自営業である父の仕事を手伝ったりしていたようです

家族からの支援が
少し素直にうらやましいな、

と思いました

ぼくは、
専門学校に進学することを両親から反対されてました

さらに卒業後は、
大学に編入し普通のレールに戻ることが進学の約束でした

結局ぼくは、
専門学校から大学に編入という特殊なルートで、
一度外れたレールを再び戻りました

大学を出てからは、
普通の会社に就職をしました

総合職という肩書でした

総合職という肩書きのため、
マネジメントをする仕事でした

結局、
仕事が合わずに退職をしました

専門学校からの流れで、
技術職の仕事に転職をして今に至ります

両親との約束のために、
僕は大学に入って奨学金を借りました

結局は、
工業専門学校を直接卒業するルートに戻ったのです

僕には、
僕のようなタイプの人間には

誰にでもできるような仕事は、
とても難しいことがわかりました

僕は、
中学校のとき、
どうしても学校に行きたくはなかったです

ただ中学校に行かなければ、
内申点が下がってしまいます

専門学校に行くために無理して僕は通っていました

そして僕の両親は、
僕が不登校であることをきっと許さなかったと思います

岩野響さんのように、
ご家族から理解をされるのは、
僕にとって少し羨ましいことです

けれど、
僕はもう大人になっています

だから、
これからは世の中で、
学校に行けなくなった子供を、
責めないように
責めすぎないように、
なって欲しいなと思います

学校に行けなくても、
生きていく方法が、
もっと増えていって、
自然な選択肢になれば良いなと思います

気になったところ

コーヒーの作り方がとっても凝っているように感じました

コーヒー焙煎士として、
彼はどのように作ってるのか

そしてその能力は、
どのくらいなのか

僕には、
理解する知識はありません

しかし本の中で、
味のイメージを膨らませるために
岩野響さんが考えていることが書かれています

月替わりで味のテーマを決めているようです

引用しますと

味のテーマ

☞10月なら香ばしさと甘みのうねり
☞11月なら彫刻をイメージした静かな甘み

と書かれています

僕には彫刻とか、
静かな甘みが、
コーヒーの味にどのように関係するのかはわかりません

しかしコーヒーというのは、
焙煎する過程に様々な調整工程があります

その中で、
その調整方法に、
試行錯誤を重ねることで、
岩野響さんが考えてる味に近づけることができるのかなと思います

コーヒーは、
焙煎方法や豆の産地によってタイプ分けされることが一般的だそうです

しかし岩野響さんは、
自然や芸術など、
環境、風景や匂い空気感、
みたいなものをコーヒーの味にしたいそうです

こだわってコーヒーをつくっているように感じました

ぼくもコーヒーが好きです

喫茶店とかで飲むのが好きです

学生の頃は、
よく友人と喫茶店に入って語り合っていたこともあるようなちょっと珍しいタイプですね

社会人になっても、
友人や弟とコーヒーを飲んだりします

岩野さんのコーヒーを飲んでみたいと思いました
(ただし、ドリップするグッズはもってません…)

発達障害がある人は、
特定の感覚が過敏になることがあります。

例えば岩野響さんの場合は、
味覚と嗅覚がとても敏感だそうです

本人は特別優れているとは感じなかったようです

しかし家族の印象では優れているそうです

コーヒー焙煎士の仕事に生かされてるのかなと思います

ちなみに僕は、
聴覚過敏もっています

家に入るときや、
デスクワークをしている時は耳栓をつけてます

聴覚過敏だからといって音楽的な感性はまったくないです

とても音痴です(笑)

発達障害をオープン

障害をオープンにした理由は、
コーヒー豆を販売するときに、
岩野さんの障害が、
客商売として問題になると考えたからです

オープンに対して、
岩野響さんの父からの次のコメントがありました

ポイント

響がこの2年間、
純粋にコーヒーのことを頑張って勉強したことが、

「障害のある子が作ったコーヒー」

というのに塗り替えられてしまうのは悔しいなと思いました

かといって、
健常者と同等のことを求められるのは、

この子としては苦しいだろうと悩みました

僕は、
功績が塗り替わることはないと思います

響さんは、
自分のゆがみを、
かたよりを、

自分のできることを、
自分にしかできないことにするために進んでいます

温かい父や母が、
支えてくれたから確かに前へ進めたかもしれません

けれど、
かたよりと、
向き合おうと決めたの響くんです

障害が、
あるなしは関係がないと僕は思います

決して功績は、
塗り替えられるものではないと思います

自分が持っているかたよりを、
発達の遅れを活かしてこの社会で生きていきたい

そう思う気持ちは、
とてもまっすぐなものだと思います

まっすぐさは、
多くの人に伝わると思いました

本の巻末に、
主治医からのコメントがありました

発達障害のかたが、
このような形で能力を発揮できることは極めてまれなことだと

響君の両親が、
家の中でできることをやって、
自信を取り戻させたのは奇跡的なことです、
と言っております

ぼくもそうだと思います

それでも、
奇跡的であってもなくても、
ぼくは岩野響さんの生き方は素敵だと感じました

とても素敵な本なので紹介しました

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