
「周りに流されず、自分らしく性と向き合う」
こんにちは
ASD(アスペルガー症候群)の、
三原たか です
大人の発達障害者です
「アスピーガールの心と体を守る性のルール」を読みました
読む前は、
「素敵な彼氏のつくりかた」みたいな恋愛本なのかと思っていました。
恋愛本ですが、
思っていた内容とは違いました。
アスペルガーの女性たちの苦しい人生のように、
簡単に読める本ではなかったです。
しかし本書は、
作者の愛情と温かさがこもった文章で書かれています。
苦しく恥ずかしさがある内容を、
やさしく伝えてくれます。
とても素敵な本です。
感想をまじえて紹介します。
アスピーガール概要
☞恋愛との自分らしい向き合いかた
☞異性との関わりかた
☞自分を好きになる方法
☞自分には価値があると思い出す方法
☞心と体を大切にする方法
が書かれています
作者紹介 デビ・ブラウン
スコットランド在住。
29歳のときにアスペルガーの診断を受ける。
診断後、自閉症の研究を始める。
34歳で本書アスピーガールを執筆。
本の内容
興味深かったところを紹介します。
「境界線とノーと伝える大切さ」
境界線とは、
「あなたとあなた以外を分けるライン」と書かれています。
自分と相手の境目がうまくつけられない。
アドバイスや意見が主観的になる。
自分の内面がもれでてしまう。
自閉傾向のある人には多いと思います。
境界が曖昧であると、
誰かに過度な依存や、
誰かを振り回してしまいます。
自分の境界線を知ることは自分を大切にすること
自分と世界をわける境界線はなんなのか、
境界の内側とは何を示すのかが理解することが大切です。
境界の内側を☟のようにあげています。
☞肌や体
☞信念や思考
☞行動
☞態度
☞時間
☞お金
これらはすべて、あなただけがコントロールできるもの、と書かれています。
特に、あなたの体に関してあなたには、
絶対的な権利があります。
もし、誰かに境界を越えて踏み込まれるとき、ノーと言い切る必要があります。
ノーと言い切る言葉
境界の内側に、
入ってくる人がいると思います。
好奇心なのか、悪意なのか、
下心なのか、それらは断る必要があります。
断るのが苦手な人は、
☟の文章が心強いです。
私は、やりたくないことに対して「ノー」と言わないのは、ウソをつくことと同じ、と思うようにしています。
私はウソが嫌いです。
「ノー」と言いづらい場面に出くわした際に、こう考えることで、踏ん切りがつきやすくなりました。
ウソをつきたくないから、断る。
自分に正直でありたい。
という気持ちと向き合うために、
「ノー」は必要な言葉なんだと感じました。
どんな言葉で「ノー」を伝えればよいか、
も書かれていました。
「いいえ」
「嫌です」
「すみません、私にはできません」
「今日は残業できません」
「手を離してください」
「私の家(部屋)には入らないでください」
「あなたとはセックスしません」
断ることは、
大変な苦労があると思います。
アスペルガーだからといって、
みんながみんな積極奇異や唯我独尊タイプではありません。
女性のかたはおそらく男性よりも、
断ることが苦手なかたが多いと思います。
断りかたについて、
この本は参考になることが多いと思います。
よかったところ
「アスピーガールの心と体を守る性のルール」は、
誰も教えてくれないことを丁寧にわかりやすく説明しています。
アスペルガー症候群は、
言葉をそのまま受け取るという特徴があります。
その特徴の裏返しで、
言葉以外は受け取れないという特性もあります。
恋愛・性・心については、
言葉によって説明されることは少ないです。
そんな不器用な「親愛なる妹たち」に送るデビ・ブラウンからの、手紙のような本です。
志村貴子さんの素敵な女の子のイラスト
本の中には、
表紙絵の志村貴子さんのイラストが多くあります。
とてもかわいらしく、
独特な感性をもってそうな女の子たちがいます。
僕は志村さんの絵が好きなので、
とてもうれしかったです。
わるかったところ
サポーター探しについて
本書のはじめのほうに、
サポーター(話しを聞いて相談にのってくれる人)を見つけよう、とあります。
ページ数としても結構多いです。
サポーターはいないよりも、いるほうが絶対に良いです。
しかしサポーターってそんな簡単に見つかるとも思えないです。
現実的な対応だとは思えなかったです。
内容の重さや恥ずかしさ
作者のデビ・ブラウンは、
書くのがとても苦しかったと、告白しています。
読んでいると、
すこし疲れてしまうかもしれません。
まとめ
☞恋愛で苦しんだり悲しんだり
☞自分と他者の境界線がわからない
☞境界線を守りたい
そんなASD(アスペルガー)の女性にこそ読んでもらう本です。
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