ADHD(注意欠如・多動症)の
吉田彩さんにインタビューしました
彩さんは、
外資系企業の障害者雇用でセールスサポート として英語を活かし働かれています。
彩さんは自分の経験から、
発達障害だと知った経緯、
外資系企業で働く内容、
転職する方法など、
役に立つことを話してくれました。
ぜひご参考ください
目次
自分が発達障害だと知った経緯

三原:こんにちは。インタビューを始めます。よろしくお願いします!発達障害だと知った経緯を教えてくれませんか?
彩:今から6年程前に診断を受けました。
三原:そのときはまだ学生でしたか?
彩:いえ、社会人でした。
メールの送信を間違えたり、議事録の作成がうまくできなくて、
自分は何かおかしいのではと思って病院に行きました。
最初受けもったプロジェクトが大きかったんです。
ドイツ・インド・日本の3カ国、数十名で金額的にも大きかったんです。
その中で私は議事録を作成したりしてました。
うまく仕事ができなくて超えられない壁を感じました。
そのときに病院に行こうと思いました。
三原:併発している症状はありますか?
彩:ADHD以外にはうつや強迫神経症など色々混ざっています。
三原:そうなんですね。どんな治療の改善の効果がありました?
彩:主に眠剤とエビリファイが効果があって使っています。
ストラテラは試してみたんですけど、あまり効果が感じられませんでした。
三原:副作用で苦しんだりしましたか?
彩:はい。ストラテラは副作用がキツかったです。
特に吐き気が。
コンサータは私の通院先では出してくれなかったです。
三原:コンサータを出してくれないんですか?
彩:はい。そのため病院を変えたときに試させてもらいました。今ではあまり相性が良くなかったのか続けてません。
現在のところは眠剤とエビリファイを服用してます。
三原:エビリファイですか。
児童のASD(自閉症、アスペルガー)にも処方されますね。外部からの刺激をやわらげてくれるそうですね。
彩:はい。おちつきます。
外資系企業で働く
三原:今のお仕事について聞かせてください。日系企業で言うとセールスサポートに該当するとお聞きしました。
彩:はい。今までは販売コンサルやプロジェクトマネージャーをやっておりました。
転職をへて外資系企業で〇〇〇〇(個人情報なので隠します)、日系企業で言うセールスサポートについてます。
三原:1番最初から外資系だったわけじゃないんですね。
どんな仕事内容なんですか?
彩:ある企業のIT部門に所属しています。
そこで顧客企業向けの資料作成や翻訳をしています。
主に営業部から依頼を受けて商談がスムーズに進むようにサポートしています。
三原:へー、なかなか専門用語が多くて英訳スキルが求められそうですね。
彩:法務部門と一緒に契約管理書を作成することもあります。
三原:すごいですね!
彩:ありがとうございます。
三原:ADHDで困っていることありますか?
彩:社会人になって6年程働くうちにほとんど改善できました。
三原:文章の誤字脱字で困ったりしませんか? 特に英語ですと単語のスペルミスを不注意で多発しそうですが。
彩:今はワードのスペルチェック機能があるので確認できます。日本語もスペルチェック機能を使っています。
三原:そうなんですね。そういえば私の職場の英語スタッフもスペルチェック機能を使っていましたね。
彩:診断を受けて治療を続けていき現在では症状では困っていないかな、と思います。
ただ衝動性で言い争ったりすることがあります
癇癪もちであることが私のマイナスポイントかなって思っています。
三原:職場で言い争ったりするのはしかたがないですよ
彩:職場ではないです。友人関係でです。
三原:そうなんですか。話が伝わらなくてキレたりとか?
彩:ないです。はい!はい!と答えています。
あの、三原さんは職場でキレたりしますか?
三原:はい。あります。ここでキレ芸を見せたほうがいいなって考えたりしています。
彩:それは立場があるからだと思います。
私は40歳くらい上のおじさまの意見を聞かなくてはいけないので、なかなかなり得ないです。
三原:役職ですけど〇〇〇〇って英語で外資系っぽいですね。
(個人情報のため伏字としています)
彩:この役職ですが転職したてで肩書がなく業務がやりづらいことを上司に相談したらつけてくれたんです!
三原:そうなんですか! 日系企業だとそんなことは難しいですよね。
彩:そう思います。半日くらいですぐに役職がついて名刺に記載されました。
三原:すごいですね。彩さんが優秀そうですから上司が目をかけてくれたかもしれませんね。

外資系企業(障害者雇用)への転職の仕方
三原:今の企業にはADHDであること伝えているとお聞きしました。
彩:はい。障害者雇用にも分類されます。
三原:よかったら彩さんがどうやって外資系企業に転職したか教えてくれませんか?
転職エージェントを使ったんですか?
彩:はい。転職エージェントを使いました。企業HPから直接応募したこともありますが結果は良くなかったです。
三原:転職エージェントはリクナビとか一般的なところですか。
彩:そういうところも使いましたが、最終的にはアットジーピー(障害者の大手転職サービス)で内定をもらえました。2社からオファーを頂いたと思います。
三原:アットジーピー使われたんですね。
彩:外資系の採用プロセスは特殊なんです。よかったらお話ししましょうか?
三原:そうなんですか。ぜひお願いします。
彩:面接の回数は2回〜4回くらいです。今の会社は4回面接がありました。
三原:そんなにあるんですか。私の今の会社は2回ですみましたけど。
彩:はい。英語面接その後に筆記試験としA41枚くらいの文章を英文から和文に変換しました。
結果はその日のうちに出ました。
オファー面談の際は金額が提示されます。
三原:お金がわかるんですね。なんだか外資系らしいですね。
彩:合格してからが山場があります。合格後にバックグランドチェックを行います。
現在の職場に外部の調査会社が聞き取りするが同意しますか?と聞かれます。そこで了承します。
そうすると上司に私の素行に問題ないか調査が始まります。
三原:そういうことするんですか! では転職先が確定する前に働いている職場に辞めようとすることが伝わってしまいますね。
彩:はい。上司は何も聞いてきませんでしたけど調査は入ったと思います。
三原:英語面接から始まるとなるとかなり英語力が必要そうですね。
彩:TOEIC800点くらいあれば大丈夫です。
吉田彩さんの執筆業について
三原:本業以外にも執筆業をされているそうですね。よかったらお聞きしたいです。
彩:本を5冊出版しています。
三原:そうなんですか。どんな本を書いていますか?
彩:発達障害のライフハックや小説も1冊あります。
三原:ちなみに1番売れているのはどれですか?
彩:毒親本です。
三原:発達障害系の本じゃないんですね。
彩:売上も〇〇円と大きくコメントやお便りも1番きます。
三原:それは嬉しいですね。発達障害の本だとおすすめは?
彩:人生を制限させないADHD・うつ病 です。あと私は障害年金を受給しているのですがお金についてもまとめています。障碍者の「お金」サバイバルのススメ!です。
三原:こちらも役に立ちそうですね!
職場で発達障害(ADHD)をオープンにすることについて
三原:障害者雇用という経緯から職場にはADHDであることは伝わっているかと思います。
働いている人も障害者が多いんですか?
彩:いえ、私はわからないのですがあまりいないんじゃないかと思います。
私のことも上司の方以外は伝わっていないかと思います。
三原:そうなんですか。障害者雇用と言いますと給与が低くて悩まれることがあるかと思うのですが
彩:まっとうに評価されていると思います。評価されていることが幸せです。
配慮のない事が1番の配慮だと思っています。もちろん他の人とは違うところがあると思いますが。
三原:それは嬉しいですね。そういえば友人には障害の診断を受けたことを伝えましたか?
彩:いえ、友達には言っていません。障害者扱いされたらブチ切れます。
最後に。外資系企業を志望する人に
三原:いわゆるバックグランドオフィスや、
英語のような専門性を活かすことを望む発達障害者の方はたくさんいるはずです。
希望者にアドバイスをください!
彩:私の場合の話ですがとにかく英語です。自分でも英語を活かしているなと思っています。
読み書き、話す事ができれば大丈夫です。
三原:彩さんは留学経験もあったんですよね。
彩:はい。学生のときに交換留学生として行きました。そのときの経験は今も役に立っています。
三原:ありがとうございました。
インタビュー後
彩さんはあまり他の発達障害者とこうしてお会いする事が少ないとのことで、情報交換をかねておしゃべりしました。
楽しかったです。